【作品の詳細】
人気のオールドノリタケから、1900年代初め(おそらく1910頃)の高級輸出(英国向け)ウェア『豪華絢爛: ノリタケの挑戦』のご紹介でございます。
1800年代の終わりから1900年代初め、ノリタケ(森村組)は積極的に海外展開を手掛け(当初は窯元ではなく日本製品を西洋に売ることを専門としたディーラーでした)、英国はその主要輸出国のひとつでした。
森村組の要求の下、日本或は東洋的なテーマしか描いたことのなかった絵師が、西洋(主に米国と英国)の消費者にあうテーマ、例えば薔薇絵、をマスターするのは大変な苦労であったといわれます。この作品の薔薇、いかがご覧になられますか?ちょっと意地悪かもしれませんが、まだ洗練されていませんよね。学習段階、過渡期のノリタケであったに違いありません。
1900年初め、ノリタケはいくつかの英国及びドイツの名窯の作品を模倣し学びながら海外に積極展開しておりました。磁胎も、シェイプも、こちらの欧州で人気の高かったウィーン調とでもいいましょうか、ドイツの窯で学んだことを基本として改良を重ねていいったようです。(参考『オールドノリタケ名品集』(若林・大賀2001、平凡社)
さて、こちらの作品のバックマークですが、ノリタケとしては一般に認識されていないものです。しかしながら、英国アンティークスではこれをまた新種のノリタケマークであろうとの判断のもとに皆様にご紹介申し上げております。こうした経緯につきましては
オールドノリタケ 新発見マーク付『宮廷の薔薇』、
オールドノリタケ 新発見マーク付『幼ないプリンセスのための器』および
オールドノリタケ 『盛り上げの美術』 (新種マーク確信しました。)
をごらんくださいませ。
オールドノリタケで有名なのは青色のスパイダーマーク(
こちらをご覧ください)でございますが、これは高級ウェアにつけられたマークと考えられております。しかしこちらの作品のマークはおそらくそのスパイダーマークのさらに上の高級品に付けられたものではないか考えられるゴールドスタンプです。ドレスデンを模倣したような王冠を使いその中に星を入れています。もしかしたら米国マーケットを意識した上での星のマークであったかもしれません。
今後調べてまいります所存です。楽しみですね。何か情報をお持ちのお客様、パトロンの皆様どうぞ、ご教示のほどお願い申し上げます。
【コンディション】
ひび、かけ、貫入などのないとてもよいコンディションです。金彩と絵柄に少し擦れが見られますが、100年物のアンティークには通常想定されるレベルのものです。イッチンの技術に正確性が無いのはこの作品の本来の性質ですので瑕疵とはみなしません。イッチン(或は「盛り上げ」)を編み出したノリタケの成長過程です、どうぞアンティークの味をお楽しみくださいませ。手作りにつき、個体ごとに少し絵柄が違いますのでご了承ください。
【サイズ】
カップ 口径 約9・5cm / 11・5cm(ハンドルを含む)
高さ 約6・5cm
ソーサー 直径 約13cm
プレート 直径 約18cm
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