【作品の詳細】
本日はまたとても注意を引く作品をご紹介できますことをうれしく存じます。さあ、どちらの窯のどんな作品でしょう?
まずなんといっても明らかに特徴的なのは思い切った華絵でございますね。もちろん全て手書きでございます。実際の華やブーケを忠実に描写するというよりは、大きく、濃いめで、色の違った花を集め、全体としてカラフルなカップ&ソーサーが仕上がるよう美術的観賞を意図して作られた作品です。
これほどカラフルに彩られた華絵作品にはめったにお目にかかれません。すんなりとした作品番号502の後にコンマ「,」がつけられていますね。このコンマが何か少し特別な事情、例えばお金持ちや貴族からの特別注文による特別仕様、を示している可能性もございます。確かに、ここまで描込みを必要とする製品を標準製品とするのはお金がかかりすぎるかもしれませんものね。
こちらのアーチスト、どれくらい時間をかけてこの一客を仕上げたのでしょう。きれいに描いたはいいけれども、焼成作業における失敗はつきものですし。現代ではビジネスとしてはほとんど考えられないような作業ですよね。芸術と日常生活が近かった古き良き時代の一例です。
シェイプもいいですね。ロンドンシェイプは1825年前後を中心にもてはやされた形状でございます。これも実用的というよりは洗練されたオシャレ感を前面に出した芸術品です。
でも、前のオーナーの方(さあ、一人でしょうか、二人でしょうか、三人であったかもしれません)実際に使用していたようですね。ご自慢でしかも大好きで大好きでしょうがなかったのでしょうね。この器でよく紅茶を楽しまれたのだと思います。作品のスレがそれを物語ります。
製作窯ですが、ロンドンシェイプの作品は本当に多くの窯により作られましたので特定することは容易ではございません。各窯、本当にちょっとした違い(ハンドル部分の突起の角度や長さ))がございますが、そうした違いは個々の作品を焼いてゆく過程で意図せず「起こってしまう」こともございます。あまり「このロンドンシェイプのカップはXXX窯だ」と言い切ってしまうディーラーの判断は信頼しない方がいいようです。でも、わたくしどもが思いますには、こちらの作品、きっと○○○の作品です(お買い求めのお客様には、ご希望であればお伝えいたします。アイデンティティ探しも楽しみの一つですので。)
【コンディション】
写真でご覧のように金彩に擦れがございます。200年を経ている作品ですのでご寛容にお願い申し上げます。それからお目が良くないとわからない程度、あるいは注視しないと気が付かないレベルのものですが、薄い微細貫入がございます。先ほど申し上げました通り、濃い華絵のコントラストに隠れて、目立つものではございません。ヒビ、カケ、修正はございません。どうぞ、優しく丁寧に扱ってやってくださいませ。200年物の秀作です。
【大凡のサイズ】
カップ直径9cm(10・5cmハンドル含む)
高さ5・5cm
ソーサー直径14cm
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