シェフィールドについて

シェフィールドについて

シェフィールドは、イングランドのサウス・ヨークシャーにある都市で、リーズから南へ約47km（29マイル）、マンチェスターから東へ約51km（32マイル）の場所に位置しています。市全体を統括する「シティ・オブ・シェフィールド」の行政の中心でもあります。

歴史的には「ウェスト・ライディング・オブ・ヨークシャー」の一部とされており、南側のいくつかの郊外地域はダービーシャーからシェフィールド市の管轄に移されました。

シェフィールドはサウス・ヨークシャーで最大の都市であり、イングランド北部では3番目に大きな都市です。

ノルマン・コンクエスト後の時代

イングランドがノルマン人に征服された後、民衆による反乱が起き、それに伴う「北部の掃討（Harrying of the North）」によってシェフィールド周辺は荒廃しました。このため、荒れ果てた地域を統治するためにシェフィールド城が築かれました。その後、現在の都市の中心となる小さな町が発展し始めました。

1296年までには、現在「キャッスル・スクエア」と呼ばれる場所に市場が開かれるようになり、シェフィールドは小さな市場町として成長しました。14世紀にはすでにナイフの生産で知られるようになり、ジェフリー・チョーサーの『カンタベリー物語』にもそのことが記されています。1600年代初頭には、シェフィールドはロンドン以外で最も重要なカトラリー（刃物類）製造の中心地となっており、「ハラムシャー・カトラリー協会」によってその産業は管理されていました。

シェフィールド マナーの廃墟（1819 年当時）

1570年から1584年にかけて、スコットランド女王メアリーはシェフィールド城とシェフィールド・マナーで幽閉されていました。

産業革命と都市の発展

下の19世紀のシェフィールドを描いた絵からも分かるように、この都市は産業の中心地として大きく発展していきました。

第二次世界大戦中、シェフィールドはその工業的重要性ゆえにドイツ空軍（ルフトヴァッフェ）の激しい空爆の標的となりました。この空襲は「シェフィールド・ブリッツ」として知られています。

1740年代には、「るつぼ鋼（crucible steel）」と呼ばれる製法が発見され、それまでより高品質な鋼の製造が可能になりました。同じ時期、銅の塊に薄い銀の板を貼り合わせる銀メッキ技術も開発され、これは「シェフィールド・プレート」として広く知られるようになります。これらの技術革新は、シェフィールドを産業都市として急成長させました。

しかし、18世紀後半から19世紀初頭にかけて、重要な輸出市場をいくつか失ったことから景気後退が起こり、1832年には衛生環境の悪化によってコレラの流行が発生ました。

19世紀を通じて人口は急増し、1801年の人口は60,095人だったのが、1901年には451,195人にまで達しました。1838年にはシェフィールドとロザラムを結ぶ鉄道が建設され、1842年には自治体（ボロー）として正式に認可され、1893年には勅許により「市（シティ）」の地位を得ました。

人口の増加とともに水の需要も高まり、町の郊外にはいくつもの新しい貯水池が建設されました。

しかし、1864年にこれらの貯水池の一つであるダムの壁が崩壊し、「グレート・シェフィールド洪水」が発生。270人が命を落とし、町の大部分が壊滅的な被害を受けました。

急激な人口増加により、シェフィールドには「バック・トゥ・バック」と呼ばれる狭く密集した住宅が多く建てられました。また、工場からの深刻な大気汚染も問題となりました。作家ジョージ・オーウェルは1937年に、「シェフィールドは、旧世界でもっとも醜い町という称号を得てもおかしくないだろう。」と書いています。

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