【作品の詳細】
こちらの作品のご紹介でございますが、いかがご覧になられますでしょうか?
まずは同様の迫力を感じる『オリエンタルレッド』 や 『オリエンタルローズ』もご覧くださいませ。
実は窯元不明の作品でございますけれども、やはり民間工芸意匠の極みでございますよね。私ども英国アンティークスは、もちろん20世紀のきれいで可愛いお品物も大好きなのですが、こうした「アンティークにしか見られない重厚な美しさもお楽しみくださいませ」との思いでご紹介させていただいております。
こういった作品、もう絶対に製造されませんので、ぜひ機会あるごとに沢山、沢山ご経験いただき、審美眼を磨いて頂けましたら楽しみが広がると存じます。
こちらの作品のデザインはなんと評したらよろしいのでしょう。もちろん、18世紀に中国から白磁が伝えられた時の東洋趣味は残っておりますが、それを超えようとする試みでございますよね。私どものフォトグラファーが、トップのカップの側面の写真を撮っているときに「このアヤメを茶色と金彩の中に組み込んじゃうっていうのは‥‥とんでもないなぁ」と独り言を言っておりました。「とんでもない」と評していたのがおかしかったのですが、本当にそういう感じです。合いそうもないデザインの組み合わせが、なぜか成功してしまっているとても良い例ですよね。
こちらの作品は、おそらく1820-40年の古いものであると思われます。この時代によくあることですが、ソーサーの歪みのひどいこと。でもまたそれが何とも味になってうれしくなります。ソーサーの歪みの写真ご覧くださいませ。日本のわび・さびの感覚と近いものがあります。
古い時代のもので、マークがございませんので窯元はわかりません。それでも、デザインがはっきりしておりますので、どなたかずっと大切に保全されていて、いつかアイデンティティーの情報交換が出来る日が来ればいいのですが‥‥。
こちらの作品は素地と釉薬の相性が良くなかったのかもしれません、全体的に微細貫入が確認されます。私は自信をもって嫌みな貫入ではないと断言できるのですが、お客様の中には敬遠される方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、この種の貫入は、仮に将来しみがついてきたとしても嫌みなものにならないと思います。特にこのような茶色を基調とした作品ではなおさらのことですのでご安心ください。花の拡大写真のところで、貫入の状態をご確認いただけるようにしたのですが、いかがでしょう。モザイクのようで味がございますよね。こうした貫入の評価につきましては、今度改めてお話させていただきたいと思います。
こちらの作品は、19世紀初期のアンティークカップ&ソーサーをちょっと知りたい、厚め始めたいという方にはとてもお似合いかと存じます。磁器の質感や、色や金彩の使い方、貫入の入り方など、とても勉強になります、ソーサーの歪みも、「えっ、こんなに」という感じが楽しくなります。2客入荷いたしました。どうぞご検討くださいませ。
【コンディション】
上記をご覧くださいませ。その他は多少の金彩の擦れは有るものの、発色が衰えずとても綺麗な状態です。
【サイズ】
カップ口径 約10cm / 15cm(ハンドルを含む)
高さ 約5cm
ソーサー直径 約15cm
当店取り扱いのお品は原則として未使用品ですが、全くの新品ではございません。飾ってあった年月などにより、若干経年を感じさせるお品もございます。以上、ご了承の上、お買い求めいただきたく思います。ご注文に際しましては、写真をベースとして価値・クオリティーをご判断ください。気になる点がございます場合には、ご購入前にメールにてご確認くださいませ。