カルトゥーシュ
カルトゥーシュとはバロック建築に好んで用いられた装飾で、モティーフで四隅や両端が内側に巻き込んだ紙の形をし、中に文字などが書かれたものとなります。
本来のカルトゥーシュ(Cartouche)は古代エジプトで使われていたヒエログリフの文字や記号のひとつで、現在でも壁画などに描かれたファラオの名にカルトゥーシュを確認することができます(右の写真参照)。古代エジプトではシェン(shen )と呼ばれており、「取り囲む」という意味となります。
現在使われているカルトゥーシュの語源は小銃の実包・弾薬筒を意味するフランス語で、英語でいうところのカートリッジにあたります。
一方アンティークシルバーウェアの文脈でカルトゥーシュという単語が使用される場合は彫刻(名前やモノグラムなど)が作成されるオブジェクトの表面の中央部分の華やかなフレームのような部分を指します(下の写真参照)。
カルトゥーシュ部分が空白になっているアンティークオブジェクトを見つけることもあります。この場合はお好みの彫刻を入れたり、メッセージを刻んでそのアイテムを贈り物にすることもできます。又はモノグラム(歴史上の人物の名前など)に応じて、マークされたカルトゥーシュは初期のアンティークオブジェクトに大きな価値を追加できます。