【作品の詳細】
先日、ブラウンー ウェストヘッド & ムーアー の 『ロープ・ハンドル』 をご紹介申し上げました後すぐに絵柄違いの物が入荷いたしましたので、取り急ぎご紹介申し上げます。
ちょうど「絵柄違いで、いくつも同じシェイプの物が作られました」とご説明申し上げた後でしたので、思わず、本当に同じシェイプかしらと、少しいたずらに品比べをしたくなりました。写真をご覧くださいませ。
結果は、はい、ほぼ同じシェイプでございますね。手作りの窯焼き時代ですので、多少の差異は出てまいりますが、まず、ほぼ同じシェイプです。ハンドルなどは少し高めについたり、低めについたりするのは当然のことですね。
ブラウンー ウェストヘッド & ムーアー もあまりご紹介できておりませんね、申し訳ございません。同窯もやはり広くは知られていませんが、明らかに高い質の作品を残した「隠れた名窯」の一つでございます。こちらの「ロープ・ハンドル」を作った ブラウンー ウェストヘッド & ムーアー は、1802年に リッジウェイ が開業し、コウルドン の前身となる会社です。こちらの作品は1868年に登録されています。
こちらの作品はとても目をひくデザインでございますね。ショッキングピンクにくるっと丸まったロープハンドルが印象的ですね。1800年代後半、デザイナーは新しいデザイン開発のために相当プレッシャーがかかっていた時代ですので、そうしたコンテキストの中の一品かもしれません。
このペイント・デザインに関する好みはわかれるかと存じます。それよりも広範にこの作品の価値を高めておりますのは、全体的なシェイプとロープ様式のハンドル周りでございます。こちらの形 ブラウンー ウェストヘッド & ムーアー の代表的で完成度の高いシェイプとして 絶版 『英国アンティークカップ抄録』英国カップのバイブル でも紹介されている有名なものでございます。
ハンドルをロープ様にしただけでなく「高台」と連絡し、またメインボディとも白いテープで接着させています(この白いテープの部分につきましてはコールポートなどはリボンで代替していますね)。もちろん機能的なものではなく、デザイン・オシャレのためで、それが成功しています。そうした努力が報われ極めて高い人気を誇りましたので、色違い、柄違いでもいくつもの作品が作られました。こちらの作品はそうした中の一品です。どうぞ、お楽しみくださいませ。
カップの裏の ダイヤモンド・レジストレーションマーク(リッジウェイのページの下の方をお読みください)も色違いではありますが同じ内容です。「X」は1868年を示し、「D」は9月、そして「25」は25日のレジストレーションであることを示します。デザイン・レジストレーション制度につきましてはまた改めてご紹介申し上げます。
【コンディション】
少し金彩が擦れ、またスクラッチが入りペイントが剥がれている個所が見当たりますが、そのほかカケやヒビ、貫入などほとんどない美しいコンディションです。素地は薄いにもかかわらず堅牢で安心感があります。
【サイズ】
カップ 口径 約9cm /11.5cm(ハンドルを含む)
カップ 高さ: 約5.5cm
ソーサー 直径: 約14cm
プレート 直径: 約16cm
当店取り扱いのお品は原則として未使用品ですが、全くの新品ではございません。飾ってあった年月などにより、若干経年を感じさせるお品もございます。以上、ご了承の上、お買い求めいただきたく思います。ご注文に際しましては、写真をベースとして価値・クォリティーをご判断ください。気になる点がございます場合には、ご購入前にメールにてご確認くださいませ。